任意売却は本当に無料?任意売却にかかる諸費用とは

公開日:2022/04/15  最終更新日:2022/04/25

任意売却は住宅ローンや借金を大きく減らせるメリットがあります。とはいえ中には「そもそも任意売却する費用がない」とお困りの方もいるかもしれません。しかし任意売却は基本的に無料で行うことができるのです。そこで今回は任意売却が無料でできる理由や、諸費用の内訳について解説します。

任意売却の費用は本当に無料?

任意売却にかかる費用は基本的にありません。その理由は家の売却資金を諸費用に充てているためで、任意売却は不動産の売却資金をローンの返済のほか、諸費用や手数料などさまざまな経費に配分する仕組みになっています。つまり家が売れた時のお金で諸費用を支払っているので、任意売却は無料で行うことができるのです。

さらに任意売却では売却資金が諸費用に支払われるだけではなく、債権者から引越し代も捻出してもらえるケースもあります。一方で競売だと引越し代は1円も出ることはないので、費用の面でいえば任意売却の方が明らかにお得です。

任意売却にかかる諸費用とは

ここからは任意売却にかかる諸経費について解説していきます。ただ諸経費は家の売却資金で支払うため自分で用意する必要はありませんが、業者の中には「自分で用意する必要があります」と説明する業者もいます。このような業者は悪徳業者の可能性が高いため、くれぐれもご注意ください。

■仲介手数料

不動産の売買が成立した際には、不動産会社に仲介手数料を成功報酬として支払います。なお家が売れなかった場合には仲介手数料の支払はありませんので、ご安心ください。

ちなみに仲介手数料は3種類の上限が法律で決められており、具体的には200万円以下は5%、200万円~400万円は4%、400万円以上は3%となっています。一方で下限の決まりはありませんので、交渉して仲介手数料を下げてもらうことも可能です。

実際に不動産業者の中には仲介手数料の値下げや割引キャンペーンを行っている業者もいますので、こうした業者に依頼するのも手です。

■抵当権抹消

抵当権とは簡単にいえば、ローンを利用する方が支払いできなくなった場合に備えて、金融機関が土地と建物を担保にすることです。不動産業界では物件売却の手続き上、抵当権も抹消する必要があるのですが、そこまで大きな費用ではありません。

具体的には不動産1つにつき登録免許税として1,000円、建物と土地がセットになっている場合は2,000円かかります。ただし手続きを司法書士に依頼すると別途5,000円~15,000円の報酬が発生しますのでご注意ください。

■滞納している税金

任意売却では固定資産税や住民税などの税金滞納についても、諸費用として支払うことができます。ただし滞納額があまりにも多い場合には全額負担できる保証はありません。いずれにせよ、税金を滞納すると延滞税によって負担がさらに大きくなる上、滞納が続けば自治体から差し押さえ登記が通告される恐れもあります。

万が一差し押さえ登記されてしまうと、任意売却を行うことは非常に困難になってしまいますので、税金滞納でお困りの方は早めに相談しておきましょう。また、任意売却の対象がアパートやマンションの場合は、管理費や修理費を諸費用として支払うこともできます。万が一、管理費や修理を滞納したまま売却すると永久に請求されてしまうので、この点にもご注意ください。

引越しのための費用を確保するには

任意売却では引越し代が必ず捻出されるわけではありません。というのも引越し代が出る理由は、任意売却を行う方が経済的に非常に苦しい現状を債権者が汲み取ってくれているという、善意の気持ちがあるからです。つまり引越し代を確保してもらうには、債権者と信頼関係を築くことがポイントになります。

そのためには現在の状況や金銭的に苦しいことを真剣に話し、不安な気持ちを熱心に伝えることが肝心です。つまり「真剣に任意売却を検討している」というアピールができれば債権者も事情を考慮してくれるので、引越し代も捻出してらえる可能性が高まるでしょう。

競売や自己破産と比較した場合

任意売却を競売や自己破産と比較すると、任意売却の方がさまざまな面でメリットがあります。まず任意売却では滞納した税金や管理費や修理費なども諸経費として支払うことができますが、競売ではそれらは一切支払うことはありません。

さらに競売は市場価格の50%~70%と非常に格安で売られてしまううえ、引越し代が出ることもありません。一方、任意売却は市場価格で近い価格で売れるので、売却後の借金は競売よりもはるかに少なくなるメリットに加え、引越し代も捻出してもらえることもあります。つまり、お金の面でいえば任意売却の方が高く売れて、引越し代も出してもらえる分、圧倒的に有利なのです。

さらにいえば、競売は落札されると物件から否応なく立ち退きを命じられてしまいますが、任意売却は自分のペースで進められます。また自己破産と比較した場合、自己破産は借金を帳消しにできることが大きなメリットですが、財産のほとんどが没収されてしまうのが大きな痛手となります。具体的には自己破産すると99万円以下の現金や20万円以上の家や家財などは全て没収されてしまいますが、任意売却なら借金は残るデメリットがありますが、財産は失われずに済みます。

任意売却と自己破産どちらが優れているかは、それぞれの生活状況や考えによって変わるため、業者とよく相談してから検討することをおすすめします。

 

任意売却の諸費用には仲介手数料や抵当権抹消などがありますが、家が売れた時のお金で支払う仕組みとなっているため、手元にお金がなくても問題ありません。また、引越し代も捻出してもらえる可能性もあるので、転居の負担も大きく減らせます。一方で競売の場合は格安で売られてしまううえ、引越し代も一切出ません。競売と比較すると任意売却の方が高く売れて引越し代も出してもらえる分、金銭面で圧倒的に有利です。そのためローンが支払えずお困りの方でしたら、家が競売に出される前に任意売却の計画を進めておくことをおすすめします。

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