親子間売買にはどんなメリットがある?3つのメリットと注意点とは

公開日:2022/08/15  最終更新日:2022/06/23

住宅ローンの返済に苦労する方は少なくありません。中には、住宅ローンの返済が難しくなり、任意売却でマイホームを手放すという選択をする方もいます。その中でも最近増えているのが、親子間売買です。この記事では、親子間売買のメリットや注意点を徹底解説します。

親子間売買における3つのメリット

不動産の親子間売買とは、住宅ローンの返済が難しい方が、親子間で任意売却することを指します。そんな親子間売買には、3つのメリットがあります。一体どんなメリットがあるのか、詳しく見ていきましょう。

■今まで住んでいたマイホームに住み続けられる

住宅ローンの返済が難しく、通常の任意売却をする場合、その家は売りに出され、知らない人に売ることになります。そして当然、自分たちはその家を出なければなりません。しかし、やっとの思いで購入したマイホームを手放すのは辛いものです。そこで親子間売買をすることで、今まで住んでいた家にこれからも住み続けることができます。

■引越しをしなくて済む

家を任意売却すると、引越しをしなければなりません。次に住む家を探すだけでなく、引越し業者への依頼も必要でしょう。しかし、親子間売買であれば、そもそも引越しをしなくて済むため、物件探しや引越し業者への依頼の必要もなくなります。

■競売にならない

住宅ローンの返済が難しいときの方法として、任意売却の他に挙げられるのが競売です。競売とは、裁判所の権力で、強制的に不動産が売却に出されることを指します。そして、家が競売になると、調査員が家まで来ることで、周囲の住民に競売になったことが知られてしまうことが多いのです。親子間売買であれば、住宅ローンの返済が難しいということが周囲に知られることがないため、プライバシーが守られます。

親子間売買の注意点

親子間売買のメリットを挙げましたが、もちろん注意点もあります。親子間売買を検討している方は、注意点もしっかり理解しておきましょう。

■子どもが住宅ローンを組めないことが多い

家の親子間売買では、子どもが住宅ローンを組んで、親から家を買うことになります。しかし実際、親子間売買で子どもが住宅ローンを組もうとしても、審査に通らないことが多いのです。それは、住宅ローンを組む銀行などの金融機関が「親の借金を肩代わりした」と判断してしまうからです。たとえ子どもの年収が高かったり、大企業に勤めていたりして信用に値する人だとしても、ローンの審査が通らないことが多々あります。

■子どもがマイホーム購入時のローンを組めない

親子間売買で子どもが住宅ローンを組んでしまうと、近い将来子どもがマイホームを購入するときのローンが組めなくなってしまいます。そのため親子間売買をするときは、子どもの意思確認を慎重に行わなければなりません。また子どもだけでなく、結婚しているならその家族にも確認する必要があります。

■売買する金額は、安すぎても高すぎてもNG

親子間売買をするにあたって、売買する金額を決めるのも難しいポイントです。家の売却価格が、その地域の市場価格よりも安い金額で子どもに売ると、その家を子どもに贈与したとみなされます。贈与したということは、当然贈与税がかかります。

一方、家の売却価格が、その家を買ったときよりも高い金額で子どもに売ると、売買益が生じるため、所得税が発生してしまうのです。つまり、親子間売買での家の売却金額は、安すぎても高すぎても問題が生じてしまいます。

リースバックで解決できる?

親子間売買は、さまざまな壁があることがわかりました。子どものローン審査が通らないなどで親子間売買ができないとしても、競売は避けたいものです。そこでおすすめしたいのがリースバックという方法です。

リースバックとは、家を任意売却の協会などの信頼できる第三者に売却し、第三者に家賃を支払いながら住み続ける方法です。時間が経ってから、子ども名義で家を買い戻すことも可能です。買い戻すときは、親と子どもの売買ではなく、第三者と子どもとの売買になるため、住宅ローンの審査も親子間売買より通りやすくなります。

親子間売買で住宅ローン控除は利用できるのか

家を購入して住宅ローンを組む場合、多くの人が利用するのが住宅ローン控除です。親子間売買で子どもが住宅ローンを組む場合も、住宅ローン控除は利用できるのでしょうか?答えは、YESです。しかし、親子間売買で住宅ローン控除を利用する場合は、いくつかの条件があります

■住宅ローン審査に通っていること

まず大前提なのが、住宅ローンを利用し、ローン審査に通っていることです。先ほどもお伝えしたように、親子間売買ではローン審査に通りづらいため、専門の業者に相談しながら行うことをおすすめします。

■住宅ローンの返済期間が10年以上であること

住宅ローン控除は、ローン残債の1%を、10年間控除できるというものです。そのため、住宅ローンの返済期間が10年以上である必要があります。

■住宅面積・地区面積ともに、住宅ローン控除の条件を満たしていること

住宅ローン控除を利用するには、その家の床面積が50㎡以上で、一定の耐震基準をクリアしている必要があります。どちらの条件も満たしているかどうか、事前に確認しておきましょう。

■買主がその家に住むこと

住宅ローン控除を利用するには、買主がその家に住むことが条件となります。

■売主と買主が同居したり同一生計を立てたりしないこと

住宅ローン控除を利用するにあたり、売主と買主が同居をしたり、同一生計を立てたりしていると、控除は受けられません。

■買主の年収が3,000万円以下であること

買主の年収が3,000万円以上あると、住宅ローン控除は受けられないため、注意しましょう。

 

家の親子間売買について解説しました。親子間売買は、住宅ローンの返済が難しくなっても、子どもに売ることでその家に住めるというメリットがあります。しかし一方で、子どもの住宅ローン審査が通らないなどのデメリットがあり、スムーズに進まないことも多いです。そのため親子間売買を検討している方は、親子間売買に強い不動産業者などに相談をしながら進めることをおすすめします。

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