自己破産したくない!その悩み、任意売却で解決できるかも!
借金や住宅ローンの支払いに悩む方の多くは、「自己破産したらどうしよう」という悩みを抱えているのではないでしょうか?自己破産すれば家を失うだけでなく、仕事や財産も失ってしまう可能性も考えられるので、できれば避けたいものですよね。任意売却とはそんな時に活用できる1つの解決手段です。今回は任意売却について解説いたします。
自己破産とはどのような状況か
自己破産という言葉は知っていても、実際はよく分かっていないという方も多いのではないでしょうか?自己破産とは簡単にいえば「借金を0にしてもらう手続き」のことです。具体的には仕事がなくなったり、病気になったりといった事情で収入が減り、借金返済の見込みがなくなってしまったと裁判所に申し立てを行い、認めてもらえばそれまでの借金やローンを全て帳消しにしてもらえます。
つまり借金を帳消しにできるのが自己破産の1番のメリットではありますが、「5~10年はクレジットカードが作れない」「個人情報が官報に掲載される」「20万以上の財産(家・車・貯金など)は全て没収される」「職業・資格に制限がかかる」といったさまざまなデメリットもあります。
それに審査は必ず通るわけでもなく、たとえばギャンブルといった浪費により返済不能に陥った場合には免除が認められません。また、自己破産の申請手続きは複雑で専門知識も求められるため、手続きは個人で行うのではなく弁護士に依頼するか、相談して行うのが一般的です。
このように自己破産は借金を帳消しにできる反面、大きなペナルティを受けることになるのでまずは金融機関か弁護士に相談するのが良いでしょう。ちなみに相談窓口には30分以内なら無料で相談できる市役所や、収入が一定以下という条件がありますが無料相談が可能な法テラスなどがおすすめです。
■任意売却とは
任意売却とは借金や住宅ローンの返済ができなくなった場合、不動産や金融機関の承認を経て売却し、売却資金を元手に返済手続きを行うことを指します。
自己破産は借金を帳消しにできることが最大のメリットですが、家や車、預貯金を含めほとんどの財産は返済金として没収されてしまいます。一方任意売却の場合、没収されるのはマイホームのみで、ほかの所有物や財産は失われることはありません。
住宅ローンの滞納金や借金は数百万円からかかることが一般的なので、これだけ多くのローンや借金を抱えるとどうしても自己破産しか解決できないと考えがちです。しかし任意売却すれば借金の負担が減らせるだけではなく、自分の所有物や財産もなるべく維持できるメリットがあります。つまり、失うものを極力減らすことができるのです。
任意売却で解決できる?
自己破産は上記の通り借金を帳消しにすることができるので、生活再建の手段としては非常に有効です。とはいえ自己破産には「何もかも失ってしまうのではないか」、「周りに迷惑がかかるのではないか」という不安もありますし、できれば避けたいものです。
任意売却を行えば自己破産をすることなく借金を返済できるケースもあるので、自己破産を避けたい方は任意売却も検討してみる価値はあります。任意売却によって住宅ローンの滞納を解消できたケースや、任意売却のおかげで引っ越し代が捻出でき、家族と安定して暮らせたケースもあります。
また任意売却をしても借金(残債)が残っている場合には支払義務は発生しますが、実際には借金を全額一括で払うわけではなく、無理のない範囲で払ったり、時には1部だけの支払で済んだりと債務者が良心的に対応してくれることもあります。だからこそ交渉次第では自己破産を避けることもできるのです。
任意売却のメリットとデメリット
ここでは任意売却のメリットとデメリットについて解説します。
■任意売却のメリット
1つ目のメリットは「市場価格に近い価格で売却できる」ことです。ローン滞納による住宅の差し押さえは何もしない場合、競売という形で市場に掲載されます。そして競売は市場価格の7割という安値が特徴なので、売却されてもその後に多大な借金が残ることがネックになるのです。一方で任意売却なら市場価格に近い価格ということもあり、借金の負担を軽減できます。
さらに2つ目のメリットとして「自分の意志を尊重してもらえる」ことも挙げられます。競売は自分の意志とは無関係に強制的に市場に掲載されてしまいますが、任意売却なら自分主導で進められることが特徴です。ほかにも「周囲に気付かれない」「引っ越し代を捻出してもらえる」などのメリットもあります。
■任意売却のデメリット
1つ目のデメリットは「残債の支払い義務は残る」ことです。任意売却をしてもローンや借金が残っていれば、原則支払いしなければなりません。さらに任意売却をしても多大な借金が残ってしまった場合には、最後の手段として自己破産するといったケースも考えられます。
2つ目のデメリットは「連帯保証人の同意が必要」なことで、万が一ローンを滞納すれば連帯保証人が支払うことになるので、他人に迷惑もかけてしまいます。さらに任意売却には自己破産と同じく信用情報に傷もつくため、任意売却後はクレジットカードの審査には注意が必要です。
任意売却するならタイミングも重要!
任意売却を行うにはタイミングも重要で、これはなぜかといえば、任意売却にはタイムリミットが存在するからです。具体的にはローンを滞納して約1ヶ月が過ぎると督促状が届くのですが、任意売却できる期間は督促状が届いてから10~12か月の間だけだからです。
この期間を過ぎれば不動産は競売にかけられてしまうため、任意売却はできなくなってしまいます。そのため督促状が届いた段階で任意売却を検討するのであれば、早めに相談しておくことをおすすめします。
ローンや借金の返済の目処が立たなくなると、自己破産した方が良いのではないかという不安がよぎりますが、任意売却なら自己破産することもなく、また財産や所有物も自己破産ほど差し押さえられることもありません。ただし督促状が届いた段階からタイムリミットが発生しますので、もし任意売却をご検討であれば速やかに弁護士か、不動産業者に相談しておきましょう。